米国の住宅事情・近隣住区事情を視察する上での想い

アメリカに視察に向けて想うこと
アメリカに視察に行ってきます!

最近興味の出てきていた米国の住宅&エリアの資産価値を高めるようなコミュニティや新しい取り組み また米国の住宅についての見聞を広める、深める為の旅にしようと思っています。
本を借りたり、購入したり、新しい価値感や考え方を発見しています。

また、何人かの方に情報を知らないか依頼して、 米国の不動産の方をご紹介いただいたり、NY近辺ではないですが、 米国の西海岸などについての、有益な情報を頂いたり、また米国留学中の 建築デザインを専攻している学生さんをご紹介頂き、情報を頂いています。

私はこれから先、今の日本の住宅・不動産業界の慣習のひとつを変えたい。

それは、普遍的な「価値」のある住まいを創ること

住宅会社、設計者、工事監理者、大工さん、各種職人さん、内装屋さん、 それに関わる行政、第3者機関、資材各メーカー、建材、木材供給、運送、 ガス、水道、電気、電話などのライフライン、それらの人が作り上げるのが住宅。

そして、住宅ローンを支払い続けて、ある意味命と引き換えに、 購入し、住まうのが建築主なんです

かなり多くの人が関わり汗水たらして、人生を賭けて創りげていく そんな様子を私は10年近くこの業界でたくさん見てきました。

関わる人達は、そのほとんどが本当に一生懸命です。
勤務時間も軽くオーバー、もちろん。サービス残業サービス出勤は当たり前。

季節に関わらず職人さんは過酷な環境の中での労働ですし、 行政や設計者など内勤であるほとんどの方もかなり遅くの時間まで働いているのが現状です。

しかし、仕事に誇りを持っている事は間違いなく、だからこそのこの実態があるともいえます。
しかし、この不況の中、リストラや賃金未払いまでも珍しくない。
そして建築されるお客様も、例外なく、家族のため、 本当に真剣に住まいを考えるため、多くの時間を割き、多くの資金を費やして、 一生懸命働き、住宅ローンを支払い続けて建てるのが日本の新築住宅です。

そこまでして多くの人が関わり、建築主が苦労して手に入れた住宅。
しかし、現実的には、購入、引渡し直後には資産価値は2割減、 (つまり3000万円で購入した物件、購入直後には2400万円の価値。これはマンションでも同じ) そして、35年の住宅ローンの半分も支払いが終わっていない、わずか15年足らずで、 中古住宅市場では、住宅そのものの価値はほぼゼロ、土地だけの値段で取引されるという あまり知られていない、知られていてもあまり購入時にはあまり実感を伴わない現実があります。

真の価値とはなんでしょう。
確かに金銭では推し量れない部分があるでしょう。

その家族にとって、重要な住まいであれば、金銭的価値はまったく判断指標にはならない。
しかし、もっと永いスパンで考える時、広い視野で考える時、 ある一定の側面からみた、指標のひとつにはなる、と私は考えています。

何らかの事情で手放さなければならなくなった住宅は、 そんな中古住宅市場では残ったローンを賄いきれず、 結局、家を失った上でもまださらにローンを払い続けるかもしれないという事が 日本の実情でもあります。

そうなった場合にやはり、市場での相場は、重要な価値の指標のひとつである訳です。
アメリカと日本はどこが違うのでしょうか?
それに引き換え、米国では、中古市場での住宅の価値が落ちない。
それどころか、値上がりするのが通常だそうです。
そして、米国ではライフステージに合わせ平均8回の引越しをするそうです。

・自分が育つ家族での住まい
・家を出て、自分の力で生活を始める住まい
・新婚夫婦で住む住まい
・子供が育っていくそして、仕事が充実してくるもっとも忙しい時期の住まい
・子供が巣立ち、また夫婦二人の家族に戻った時の住まい
・仕事が落ち着き、もしくは、退職し、生活そのものを楽しむ為に郊外に移り住む

引越しをする為に、今住んでいる住宅は手放して、 その時々のステージにあった場所と住まいを選ぶ。

それができるのは、文化の違い、ということもありますが 中古市場で取引される建物に圧倒的な信頼があるからです。

ひとことで、「文化・意識・生活環境の違い」と片付ける事は簡単です。

しかし、私はこの事を知るにつけ、 住宅を建てる、住まいを持つとはどういう意味があるのか。
豊かな人生とは何か、何のために働く人生なのか。
そういう観点から考えますと、 どうしても、今の日本の現状の方がおかしいのではないか、と 思うようになりました。

現在、日本の住宅環境を取り巻く現状や文化・法的・経済的な違いを書籍などを 読んで勉強していますが、今のところ私が分かる範囲において、予測できる 日米の違いで、米がこういった環境を維持できているのは、

・金融機関の融資条件が大変厳しいこと (つまり借主の審査ではなく、抵当にいれる物件の審査)

・スタイルブックという誰もが認めるプラン集が1850年代頃から創られており、 ほとんどの住宅は多少の変更はあるもののそれから選んだもので創られている。 建築主はかなりの水準まで勉強している。

・また住民は外観のスタイルはこのスタイルブックによって、ほとんど変えず、 内装も、必要最低限の変更にとどまり、日本のように様々な様式が混在して 乱立する自由設計ではない。

・コミュニティ単位での、そのエリアの地位向上を当たり前のように住民が 率先して行なう日常生活・コミュニケーションや公の意識がある

・意図的に不動産会社やディベロッパーが創ったコミュニティが完成し、成功している。

そこで、実際にそのコミュニティについて調べていたところ、 先に述べたサンシティというシニア向けコミュニティを作って 成功している会社(デルウェッブ社)があり、全米にそのコミュニティが 点在している事も分かったので、その一部を尋ねてみようと思っています。

ただ、これは日本にも取り入れようとした事例が何箇所もあるようで、 成功しているとは言いがたい現状のようです。

そのほかにもきっと、良い事例があると思います。

ですので、直接見学して、体感してきたいと考えています。

せっかく、貴重な時間とお金を費やして行くので、自分の人生、また自分が行なう仕事で、 『明るい未来』に世の中に向けて私が何ができるのか、という 観点から新しい経験を得たいと思っています。
アメリカ(米国)視察 2010.5月
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